心理カウンセリングオフィスでぃあは、こころの遊び場です。
カウンセリングというとどんなイメージですか?
重い、暗い、深刻な悩み事を相談するところ?そんなふうに思いますか?
でも案外そんなに暗くなく、ユーモアを交えて穏やかに遊んでいる時も多く、その方がかえってクライエントのこころは癒されるようなのです。
こころに遊びがなくなってしまうと…
不安や憂鬱に悩み、相談にいらっしゃる人のこころには、「遊び」がなくなっていることが多いです。
~でなければいけない、~すべき、~であるべきと、とがんじがらめに囚われていたり、人の顔色をうかがってばかりで、「ここでは何が正解なんだろう、間違えたらどうしよう」と不安でいっぱいで、遊ぶどころではなくなっていたりします。
遊びというと不真面目、不謹慎なものと思いますか?
でも遊びは、凝り固まった心にゆるみをもたらして、新しい可能性に向かう動きを作り出します。
問題に囚われていると、解決するための視点が持てません。ユーモアや遊びは、こころの問題を扱うための足場を作る上でも有効です。
「遊び」の深い意味とその効果
イギリスの精神分析家で小児科医でもあった、D.W.ウィニコットは、遊びの効果はさらに深い意味のあるもの、遊びこそが、人の心に自分らしさや現実感覚を育む、と言っています。
著書の「遊ぶことと現実」の中で、心理療法は「セラピストとクライエントの遊びの領域の重なり合いの中で起こる」とあります。
つまり心理療法の本質は遊ぶことにあるというのです。
小さいころに、お母さんやお父さんに遊んでもらった記憶がありますか?
小さいころ遊んでもらいたかったのに、かまってもらえなかった、無視されてしまった、そんな日常の出来事がトラウマになっていると語る方がとても多いです。
「遊び」はこころの内にある「空想」と「現実」をつなぐもの
遊びの中で心の内側にある、イメージや空想を、安心できる他者と共有することが健康な現実感覚のためにとても重要です。安心できる他者のとの関係性が「現実」がわかるために必要なのです。
小さいころに、こころの内側にあるもの=自分を、自由に表現して肯定的に受け取られる体験が持てないと、子供は大人が気に入るように自分を合わせてしまい、内側の感覚を見失って行きます。その一方で自分の世界は空想の中で広がり、他人と共有できない「現実ではないもの」になっていってしまいます。
カウンセリングや心理療法における「遊び」
心理療法で行う「遊び」とは、安全な関係性の中で、心の内側にあるものを自由に表現して、離れてしまった空想と現実の世界をつなぎ、着地させ、信頼感を取り戻すプロセスです。そこに「自己」が生まれます。
通常の会話によるカウンセリングも、箱庭やアート表現などを用いる場合も、インナーチャイルドや、心のパーツの言葉をぬいぐるみに託して対話するワークなどをする場合も同じように、安心して表現し、イメージを共有することで自分らしさを現実のものにしていくための「遊び」なのです。