自分に優しく、温かくなれますか?

心理カウンセリングオフィスでぃあは「自分らしさを育む、温かな心の遊び空間」であることを目指しています。

このコンセプト二番目の要素、「温かな」とは何でしょうか?

温かさ=回復力

風邪をひいたら温かくして寝るのが一番であるように、温泉の温かさに癒しを求めるように、自己治癒力を活性化させるためには温かさが欠かせません。それは身体だけのことではなく、心の癒しにも温かさがとても大切なのです。
温かさ=回復力
であると考えています。心の温かさは、優しさ、思いやり、受容的などとも言い換えることができます。

自分に優しくできる?

相談にいらした方に、「自分に思いやりを持てるといいよね」ということをよくお話しますが、大体の人は、キョトンとした表情を浮かべ、自分に優しくできるなどとは考えたことがなかった、と言います。自分に優しくすることは自分に甘いのとは違います。でも、自分には厳しくあらねばならない、そう教えられて育ち、頑張って自分を追い込むことが身に付いている人は、うまくいかなかいとひたすら自分を責めてしまっています。自分を責めるあなたに責められているあなたは、寂しくて、不安で、苦しくて、だから硬く殻に閉じこもってしまい、ものごとは余計にうまくいかなくなってしまいます。

自分自身に温かい眼差しを向ける

心の傷を癒し、しなやかな回復力のある心になるためには、悩んでいる自分から一歩離れて、悩んでいる自分を温かな思いやりを持って眺めることができる、そんな自分を育てる必要があります。

フォーカシングにおける温かさ

心理カウンセリングオフィスでぃあのカウンセリングでは、ユージン・ジェンドリンが開発した「フォーカシング」という技法をカウンセリングの中でよく用いています。フォーカシングでは、自分の悩み事から「脱同一化」(=一歩離れる)し、そのままを認め、思いやりと温かさをもって問いかけてみる、ということをやっていきます。そうすると、硬く固まっていた心の傷跡とその周りのわだかまりがすーっと解けて、解決に向かって流れていくということが起きるのです。

冷たい分析は癒しにはつながらない

こうした温かさとは対極にあるのが、冷たく批判的、分析的、診断的な態度です。例えばそれは、悩み事のもとにあるコンプレックスを分析して解釈を伝えるとか、不安障害であるとか、人格障害であるとかの診断をするといったこと。こうしたことは、役に立つ視点を与えてくれるし、その「気づき」自体はとても良いものであることが多いのですが、ただ、そこに温かさが欠けていると、癒しにはつながらず、分かっても変われなかったり、批判されたように感じて却って傷ついたり、辱められたように感じるということも起こり得ます。

温かな関係性を大切にするカウンセリング

心理カウンセリングオフィスでぃあでは、温かな治療者とクライアントの関係性を一番大切にしています。カウンセリングの中で温かく受け入れられ、映し返しを受ける体験を重ねることで心の深いところから癒されていきます。そうするとカウンセラーの温かく受容的な態度が、徐々にクライアントの内面に取り入れられていくということが起き、最終的にはクライアント自身が、自分で自分に優しく温かい眼差しを向けることができるようになって、自己肯定感が増し、しなやかで丈夫な心を持てるようになっていくのです。