不安は、うつと並んで多い相談内容です。
不安とは?
漠然としたどうしようもない不安を感じる全般性不安障害や、圧倒的な不安に襲われて、時には意識を失ったりするパニック発作、トラウマ的な出来事に関連する不安、対人関係への不安、などなど不安の表れ方は様々です。
不安には、心の状態とともに、身体の反応が伴います。不安な時には、心臓がドキドキし、呼吸が速く、苦しくなり、手足に汗をかき、顔が赤くなったりします。不安には心の要素と、身体の反応の要素の両方があり、心と身体のつながりの中で起こる反応と言えます。ですので、不安への対処方法には、心へのアプローチ、身体へのアプローチの両方がともに有効です。カウンセリングでは、心の問題に取り組むことはもちろんですが、呼吸法やリラクセーションなど心を通して身体の反応にも対処することで効果を上げていくことができます。心療内科や精神科でお薬をもらう治療も、身体へのアプローチとして効果的です。しかし、原因となる心の問題まで解決お薬がある、というわけにはいかないでしょう。
不安の背景にあるもの
不安の背景にある原因は人によってさまざまですが、やはり、小さいころから成長する過程で、様々な心の傷つきがある人は、この世界の中で、人々の間で、安心することが難しくなります。不安は、脅威に気づき、構えようとする心の状態なわけですから、不安定な環境に置かれている時にはむしろ必要な反応でもあるのです。でも、そんな不安定な環境の中で不安になることが癖のように身についてしまうと、安全な状態に置かれても安心できず、ちょっとしたことでも過剰に反応して不安になってしまう、ということが起きてしまいます。
不安とカウンセリング
ですから、カウンセリングにおいては、安心できる、心の支えが得られる、ということが第一の治療要因になると言えるでしょう。信頼できる治療関係の中で安心し、不安との距離が取れるようになると、気づきへの第一歩を踏み出すことができます。
不安にかられている人はほとんどの場合、不安になっている自分自身を客観的に見ることができていません。堂々巡りの考えの中で、「どうしよう、どうしよう…」と震えているばかりで、落ち着いて考えてみればわかるはずのことがわからなくなっています。不安になっている自分に気づくことができるようになれば、その不安になる考えを吟味して、解決の方法を考えることも可能になるのです。
さらに探っていくと、不安になるもととなった出来事や信じ込みなど、未解決の心の問題にたどり着き、そこを解きほぐし、解決していくことで大きな変化を得ることができます。
こうした過程に加えて、リラクセーションや自律訓練法などで、安定した心身の状態を練習で身に着けていくことも行うと、落ち着いた状態を維持し、不安になりやすい状況にも安心して対処してくことができるようになります。
カウンセリングを受けて、治療を進めていくと不安になることが少なくなるというだけでなく、人生の様々なストレス、プレッシャーに対してきちんと向き合い、対処していくことができるようになり、自信をもって生きていく力が身についていくのです。